ビジネス会食に参加するとき、「どこに座ればよいのか」「上座はどこなのか」「服装はどこまできちんとすべきか」で迷う方は多いです。
特に取引先との会食や上司との食事では、料理の作法よりも「どこに座るべきか」「この服装で失礼ではないか」といった基本の方が気になることもあります。女性の場合は、仕事終わりのきちんと感と、食事の場にふさわしい装いのバランスで悩むこともあります。
この記事では、会食マナーの中でも特に迷いやすい「席順」「上座」「服装」を中心に、当日失礼にならないために押さえておきたいポイントをまとめました。
ビジネス会食で最初に押さえたい基本

ビジネス会食のマナーと聞くと、堅苦しいルールや細かな作法をすべて覚えなければいけないように感じるかもしれません。
しかし、実際に大切なのは「相手に不快感を与えないこと」と「その場の目的を理解して振る舞うこと」です。
会食は、食事をしながら相手との関係を深める場でもあります。取引先との信頼関係をつくる、上司や部下との距離を縮めるなど、ビジネス上の目的を持って開かれることも少なくありません。
そのため、自分が楽しむことだけを優先するのではなく、相手が過ごしやすいか、会話に入りやすいか、失礼な振る舞いになっていないかを意識しましょう。
完璧な作法よりも、相手への配慮を意識する
会食マナーでは、完璧な作法を目指すよりも、相手への配慮を優先に考えましょう。
たとえば、上座の位置に少し迷ったとしても、丁寧に相手を案内しようとする姿勢があれば、大きな問題にはなりにくいです。一方で、相手より先に勝手に座る、服装が場に合っていない、食事中にスマホばかり見るといった行動は、相手への敬意が足りないと受け取られてしまうかもしれません。
細かなマナーに不安がある場合でも、次の3点を押さえておくと安心です。
・席順では、目上の人やゲストを上座に案内する
・服装では、清潔感と場に合うきちんと感を意識する
・会話や行動では、相手を立てる姿勢を持つ
会食の席順マナー|上座・下座の基本

会食マナーで特に迷いやすいのが席順です。
「どこが上座なのか」「自分はどこに座るべきか」「取引先をどの席に案内すればいいのか」は、会食前に確認しておきたいポイントです。
席順は、基本的に目上の人やゲストが「上座」、主催者側や若手が「下座」に座ると考えます。
会食の席順・上座の早見表
| 会食の場面 | 上座の考え方 | 下座の考え方 |
| テーブル席 | 入口から遠い奥側の席 | 入口に近い席 |
| 和室・座敷 | 床の間の前、または入口から遠い席 | 入口に近い席 |
| 円卓 | 入口から遠い正面の席 | 入口に近い席 |
| 取引先との会食 | 取引先・ゲストを上座に案内する | 自社側・若手が入口側に座る |
| 社内会食 | 上司・役職者を上座側に案内する | 若手・新入社員・新卒は下座側を意識する |
基本は「入口から遠い席」が上座
会食の上座は、基本的に部屋の「入口から遠い席」です。
入口から遠い席は、人の出入りが少なく落ち着いて座れるため、目上の人や大切なゲストに座ってもらう席とされています。反対に、入口に近い席は下座です。店員とのやり取りや追加の注文、料理の受け渡しなどをしやすいため、主催者側や若手が座ることが多くなります。
ビジネス会食では、取引先や上司を入口から遠い奥の席へ案内し、自分は入口に近い手前の席に座るのが基本です。
ただし、店の造りによっては、入口から遠い席よりも景色がよい席や、ゆったりとしたソファ席のほうが上座にふさわしい場合もあります。形式だけでなく、相手が快適に過ごせるかも意識しましょう。
テーブル席での席順は「奥側にゲスト、入口側に主催者側」が基本
一般的なレストランやホテルのテーブル席では、入口から遠い奥側の席が上座になります。
取引先2名・自社2名のような会食では、入口から遠い奥側の席を取引先に案内し、自社側は入口に近い席に座るのが基本です。自社側が入口に近い席に座ることで、注文や店員対応もしやすくなります。
6名以上の場合は、入口から遠い側の中央付近が上座になりやすく、入口に近い席が下座になります。参加者の役職や関係性によって調整が必要なこともあるため、迷う場合は店のスタッフに確認しておくと安心です。
和室・座敷では床の間や景色も確認する
和食の料亭などの和室には、「床の間」がある場合があります。
床の間がある部屋では、床の間の前、または床の間を背にする席が上座とされます。絵画や生け花が飾られている床の間は、部屋の中でも格式の高い場所と考えられているためです。
一方で、庭園や夜景が見える部屋では、景色がきれいに見える席を上座として案内することもあります。
和室は店や部屋の造りによって判断が変わることもあるため、事前に「本日はどちらの席を上座にすればよろしいでしょうか」とお店のスタッフに確認しておくと確実です。
円卓では入口から遠い席を上座と考える
中華料理などの円卓でも、基本となる考え方は同じです。入口から最も遠い正面の席が上座になります。
そこから入口に向かって、役職や立場が高い人の順に座っていくのが一般的です。ただし、円卓は部屋の配置や人数によって細かな座り順が変わることがあります。左右どちらを優先するかまで迷う場合は、お店のスタッフに確認して案内すると安心です。
取引先との会食・接待ではゲストを上座に案内する
取引先との会食や接待では、取引先がゲスト、自社側がホストという考え方になります。
そのため、上座には取引先を案内します。自社の上司が同席している場合でも、基本的には取引先を優先します。
案内するときは、難しく考えすぎる必要はありません。
「こちらのお席へどうぞ」
「奥のお席をご用意しております」
このように一言添えて、上座へ案内すれば十分です。
相手が「いえいえ、こちらで大丈夫です」と遠慮した場合も、何度も押し問答をする必要はありません。一度丁寧に勧めたうえで、相手の意向に合わせると自然です。
席順に迷ったときは一言確認する
席順に迷ったときは、勝手に座らず、周囲に一言確認するのが安全です。
「こちらのお席でよろしいでしょうか」
「奥のお席にどうぞ」
「私は入口側に座りますね」
このように声をかければ、席順で大きく失礼になることは避けられます。
また、自分が会食を受ける側の場合は、案内された席に素直に座るのが基本です。上座に案内されたときに何度も遠慮しすぎると、かえって相手に気を使わせてしまいます。
一度「ありがとうございます」と伝えて座るほうが、会食の流れはスムーズになります。
会食での服装マナー|ビジネスにふさわしい装い

会食の服装は、相手・店・目的に合わせることが大切です。
高級店での取引先との会食と、社内メンバーだけのカジュアルな食事会では、ふさわしい服装が変わります。
ただし、ビジネス会食である以上、基本は清潔感ときちんと感です。
男性は清潔感のあるビジネス寄りの服装が基本
男性の場合、取引先との会食ではスーツまたはジャケットスタイルが基本です。
日中の商談後にそのまま会食へ行く場合は、スーツで問題ありません。少しカジュアルな店でも、ジャケットを羽織っていればビジネス感を保ちやすくなります。
避けたほうがよい服装は、次のようなものです。
・シワや汚れが目立つシャツ
・カジュアルすぎるTシャツやパーカー
・派手すぎる柄物
・サンダルや汚れた靴
高価な服である必要はありませんが、清潔感は意識しましょう。
女性の服装選びは露出・派手さ・香りに注意
女性の場合も、基本は男性と同じで、清潔感と場に合うきちんと感が大切です。特別に華やかにする必要はありません。
取引先との会食では、ジャケット、ブラウス、きれいめのワンピース、落ち着いた色味のセットアップ、テーパードパンツなどが選びやすい服装です。派手すぎず、仕事の場として違和感がない服装を意識しましょう。
女性の会食マナーで特に注意したいのは、「露出」「派手さ」「香り」の3点です。
胸元が大きく開いた服、短すぎるスカート、透け感が強い服、派手すぎるアクセサリーは、ビジネス会食では浮いてしまうことがあります。また、香水や柔軟剤の香りが強いと、料理の香りを妨げたり、相手に不快感を与えたりする可能性があります。
ビジネス会食では、過度な華やかさよりも、上品さ・清潔感・相手に気を使わせないことを優先すると安心です。
女性向け|ビジネス会食で迷わない服装例
女性の会食時の服装は、お店の格式に合わせて考えると選びやすくなります。
女性の会食時の服装マナー早見表
| 会食の場面 | 服装の目安 | 注意点 |
| 高級料亭・ホテルレストラン | ワンピース+ジャケット、セットアップ | 露出や派手な装飾は控える |
| 取引先との会食 | ブラウス+ジャケット、きれいめパンツ | カジュアルすぎる服装は避ける |
| 社内の会食 | きれいめカジュアル | ラフすぎる服装や強い香りに注意 |
| 座敷・和室 | 座りやすいスカートやパンツ | 素足を避け、靴下・ストッキング等を用意する |
表の内容を目安にしつつ、迷ったときは少しきちんと見える服装を選ぶと安心です。
アクセサリーは小ぶりで上品なものを選び、食事の邪魔になる大ぶりのブレスレットや、食器に当たって音が鳴るものは避けましょう。
靴を脱ぐお店では足元にも気を配る
和食の料亭や個室居酒屋など、靴を脱いで畳に上がるお店では、足元への配慮も必要です。
素足で畳に上がるのは避け、靴下・ストッキング・フットカバーなどを用意しておくと安心です。夏場にサンダルなどで移動する場合は、会食用に履き替えられるものを持参するとよいでしょう。
また、座敷では正座や横座りをすることがあります。タイトすぎるスカートや丈の短いスカートは、足元が気になって食事や会話に集中しにくくなる場合があります。
和室での会食があらかじめ分かっている場合は、座ったときにも落ち着いて過ごしやすい服装を選ぶと安心です。
会食を受ける側・若手・新入社員・新卒が気をつけたいこと

会食に招かれる側や、若手・新入社員・新卒として参加する場合は、「自分が何をすればよいのか分からない」と感じることもあるでしょう。
立場に合わせて、無理に動きすぎないことも大切です。
上座に案内されたら、過度に遠慮しすぎない
自分が会食を受ける側の場合、主催者から上座に案内されることがあります。
その際に「いえ、私は入口側で大丈夫です」と何度も遠慮しすぎると、相手に気を使わせてしまうことがあります。
一度軽く遠慮する程度なら自然ですが、相手が「どうぞ奥へ」と案内してくれた場合は、「ありがとうございます」と伝えて座るほうがスムーズです。
会食マナーでは、遠慮することだけが正解ではありません。相手のもてなしを気持ちよく受けることも、場を円滑にする大切な振る舞いです。
若手や新入社員、新卒は下座側を意識すると安心
若手や新入社員、新卒の場合は、自分から上座に座らないことを意識しましょう。
入口に近い席や端の席を選ぶと、店員対応や追加注文の確認がしやすくなります。上司や先輩が席を指定してくれた場合は、その指示に従えば問題ありません。
また、若手だからといって、すべての雑務を完璧にこなそうと焦る必要はありません。必要なときに自然に動く、分からないときは先輩に確認する。その程度で十分です。
何をすればいいか分からないときは、周囲の動きを見るだけでも十分参考になります。
会食マナーは知識だけでなく、経験で身につく部分も大きいため、最初から完璧を目指す必要はありません。
なお、会食中は乾杯や食事開始のタイミングを相手に合わせ、スマホの操作や遅刻、強引なお酒の勧め方には注意しましょう。細かな作法を完璧に覚えるよりも、相手が落ち着いて過ごせるように配慮することが大切です。
まとめ|席順・上座・服装を押さえれば会食で迷いにくい

ビジネス会食のマナーで大切なのは、細かな作法を完璧に覚えることではなく、相手が気持ちよく過ごせるように配慮することです。
席順では目上の人やゲストを上座に案内し、服装では清潔感と場に合うきちんと感を意識しましょう。
会食では、相手に気を配っていることが伝わるかどうかが印象に残ります。席順・上座・服装の基本を押さえておけば、初めての会食でも落ち着いて対応しやすくなります。
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Speedyブログ記事監修者

小田 克文(Katsufumi Oda)
株式会社Plus One代表取締役・元観光庁専門家/宴会場アドバイザー
《略歴》
山口県生まれ。福岡の中村学園大学卒業後、男性では珍しく保育士として勤務後、上場企業グループ会社にて営業経験。ブライダル業界大手Plan・Do・Seeにて、一般宴会・MICE案件・展示会のイベント運営と集客ノウハウ蓄積。
2015年株式会社Plus Oneを起業し、宴会場・イベント会場に特化したコンサルティング業務を開始。2019年宴会場の検索サイト「Speedy」をローンチ。特許庁に商標登録された正式サービス。
商標番号:商願2019-122931(J-PlatPat公式情報)
登録番号:第6334810号 商標:Speedy / スピーディー 権利者:株式会社Plus One
2024年東京の表参道に展示会場House of OMOTESANDOを監修者・オーナーとしてオープン。年間1,000件以上の宴会の問い合わせ対応と、月10件以上の内覧やイベント現場を直接担当。
主な実績
- 2015年8月 株式会社Plus One 設立
- 2019年9月 検索サイト「Speedy」ローンチ
- 2021年4月 東京都パーティアドバイザー就任
- 2022年4月 観光庁パーティアドバイザー就任
- 2023年4月 観光庁観光促進専門家登録
- 2024年8月 House of OMOTESANDOオープン
- 2026年5月 MICE TIMES ONLINE掲載
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※最終更新日:2026年7月12日